炎上「冷やしトマトを頼む男とは別れろ」に現役ライターがツッコミする
最近、炎上記事が多くないですか。たぶん私がよく見ているからだと思います。またまたtwitterで発見しました。
私は、恋愛記事を主に書いている現役のライターなのですが、その見地からこの記事を検証してみたいと思います。
トンデモ強引系記事、面白い
「なんだこの記事」「人生経験も何もないライターが書いた」と非難ごうごうなのですが、私は面白いと思いました。正直言って。
しかしその次に浮かんだのが「よくこのネタ、編集からオーケーが出たな……」ということです。
ときどきこの手の、ぶっ飛び系記事が出現するんですよね。でも炎上しないのは「別れろ」という結論ではないから。
恋愛記事って、DVとかの相当の男でない限り「別れろ」の結論にはしません。身もふたもないからです。冷やしトマトやもやしでその結論はマズイなと。今回は「(変でもないのに)そんな変な男別れろ」だから炎上したのでしょうね……。
ネタ出しナシは有名人のみ?
ウェブサイトのライターは記事を書くにあたって、必ず編集部に「ネタ出し」をします。そこでオーケーをもらってから書く。意味不明だったり、ありきたりだったり、焦点がぼやけていたりすると却下されます。私は一度「略奪クズ女がどうのこうの」という記事のネタ出しを「略奪クソ女」として提出し却下されました。キャッチーだと思ったのですが「有吉さんならその言葉は許されますが、ほかの人では……」とのことでした。
そう、キャラ立ちしている人で有名人ならば許されるのです。当たり前ですが。
ですから、トマトの記事が「いかにも言いそうな有名コラムニスト」(しいて言うならナンシー関か、マツコ・デラックスくらいしか思いつきませんが……)なら無問題だったと思いますし、ネタ出しもいらないような気がします。
無理くり過ぎたので炎上
冷やしトマトは冷やして切るだけなのに高値がつけられているという意味不明なメニューなのです。何も考えずに冷やしトマトを注文する男は金銭感覚が麻痺していると断言できます。
たぶんこの部分が無理くり過ぎたので、「ないわー」と思われたのでしょう。でも一理あるので面白いと思いません?
今別れろって言ったね!
たいていの記事なら、「男は深く考えていません。今後のために彼に注意してあげましょう」で締めます。そこで別れろなんて言ったから反発された。
でも、いや、すごいんだけどなあ、切り口と発想が。
チャレンジャー・サイト
それでもネタ出しで許可が出た不思議。このyomerumoというサイトは知らなかったのですが、ライター募集のページを見てみると「FacebookやTwitter上で話題になる記事」「とにかく面白い記事」を作成してもらう、とあります。
なるほどこれか……。
それならば今回はyomerumoの思惑が当たった、もしくは狙ったのが当たったのでしょう。yomerumoの勝ちです。
私はいくつかのサイトで恋愛記事を執筆してきましたが、ほとんどが「根拠のない記事は書かないでくれ」というスタンスでした。もしこれを私の所属するサイトで提出したらボツでしょう。
冷やしトマトを注文する男性とは絶対に交際をするべきではありません。
この、「絶対に」。これはわざと入れているような……。というのは、絶対に、という文言は恋愛記事において使いません。だって恋愛に関するあれこれって、絶対じゃないから。「~と思われます」「~だそう」「~かもしれません」と、ほとんどの記事があいまいにしてあります。学会に発表されたなどを除き、確実な根拠はないわけですから。根拠が絶対ないと書けないサイトはあります。メンジョイなんかそうですね。
とはいえ、ライターの人生経験が多い場合はそれでよしとされることも多いです。このトマトのライターさんはどうなのかわかりませんが、経験を積んだ方と思われます。「お初にお目にかかります」とありますけども。
ですから今回は
- サイトは炎上してオイシイ
- 「絶対に」「最後にもう一度言います」などの煽りがあるので、意図的
- ナイス記事!という制度があるようです。このライターさんにたぶん金一封?
- 根拠やソースを提示しなくてもよさそうなので面白いモノが書ける恋愛ライターはここに応募してみるのもよし
ということだったのではないでしょうか。こういう記事、とんでもないけど面白いんだよなあ。強引だけど、なんとなく辻褄はあってると思うし。
こういうのは実践する人がいるいないではなく、読み物として面白いかどうかだと私は思うのです。
いや、ちょっと興味あるなあ、このサイト。応募してみようかな……笑